プリーツスカートの縫い方について、説明をします。
説明画像では、撮影用に型紙を作成したため、スカート丈が多少短めになっています。
(※画像では、見えやすくする為にあえて違う色の糸や伸び止めテープ等を使用しています。)
目次
1・プリーツの折り方|プリーツスカートの作り方 (プリーツ3本 のデザイン)
2・前スカート
2-1・ 裁断&印付けをする
2-2・ 裾の処理をする
2-3・ プリーツの「縫い止まり」まで縫う
2-4・ アイロンでプリーツを折る
3・後ろスカート
3-1・ 裁断&印付けをする
3-2・ 裾の処理をする
3-3・ プリーツの「縫い止まり」まで縫う
3-4・ アイロンでプリーツを折る
4・固定ステッチ
4-1・ 固定ステッチ タイプ①
4-2・ 固定ステッチ タイプ②
4-3・ 陰ひだステッチ
5・プリーツを仮止め&しつけ
6・脇線を縫う & ファスナー付け、など
7・今回使用した道具など
プリーツの折り方|プリーツスカートの作り方 (プリーツ3本 のデザイン)
実際に下記デザインのプリーツスカートを作っていきます。
- 前スカートも後ろスカートもプリーツ3本ずつ入れたプリーツスカート
パターンの作成方法については、別に記事を書いています。下記の記事を先に見ていただくと、より分かりやすくなるかと思います。
前スカート
それでは、実際に縫う手順を紹介していきます。
※説明をまとめるために、「前スカート」と「後ろスカート」を別々に解説しています。
生地の裁断前には、要尺(必要な生地量)が足りなくならないように最初に型紙すべてを生地上に並べて、パターン配置をしてから、要尺が足りるかの確認をしてください。
※ベルトの型紙は用意していませんが、実際には、ベルト分も要尺が必要です。
裁断&印付けをする
まずは、生地を裁断します。
型紙を固定して、生地を裁断しました。(「わ」の状態で裁断しています。)
印をつけます。
ファスナー止まりや合印にはノッチ(縫い代に5mm以下の切込み)を入れました。
ダーツとプリーツ位置には、切りじつけ(しつけ糸で行う印)で印をつけました。(それと合わせて、縫い代にノッチも入れておくと分かりやすくて便利です。)
印をつけ終わったら、型紙を外します。(切じつけが取れないように静かに型紙を外します。)
切りじつけは、生地を「輪(わ)」にした状態で二枚同時にしつけ糸を通しているため、一枚目と二枚目の生地の間の糸を切り離します。
※一枚目の布を糸が抜けない程度にめくって持ち上げ、間の糸をちょん切ります。
前スカートを広げた状態です。(「プリーツのひだ分」が追加されているので、幅が広いです。)
裾の処理をする
プリーツスカートを作る場合、裾を先に処理しておく方がよいです。(プリーツを折った後に裾を縫うのは大変なので。)
前スカートと、後ろスカート、それぞれで裾の始末をします。
今回は三つ折りステッチで始末しましたが、他の方法でも構いません。
アイロンで折り跡を付けます。
ミシンで縫います。
前スカートの裾ができました。
プリーツの「縫い止まり」まで縫う
前スカートを「中表」にしてたたみ、
ボックスプリーツの「表ひだ山」になる部分の印を合わせて、待ち針で固定します。
「縫い止まり位置」もしっかり合わせて固定します。
縫い止まりまで、切じつけの通りにミシンで縫います。しっかり返し縫をします。
縫い止まりまで縫ったところです。
前スカートにある3カ所を、すべて「縫い止まり」まで縫いました。
アイロンでプリーツを折る
切りじつけの印に合わせて、プリーツを畳みます。
当て布をして、アイロンで折り目を付けます。
すべてのプリーツに折り目を付けていきます。
「縫い止まりまで縫った部分」の裏側は、切じつけをしている部分(プリーツのひだ部分の真ん中)を縫い止まりまでのミシン目に合わせるようにして、たたみます。
(下の画像のピンク点の位置同士を合わせて、たたむ)
布がシワになったりしないように気を付けながら、アイロンを掛けます。
プリーツのひだ部分にダーツ分量を含んでいるため、多少カーブ状になっているので、
きれいにたたまれた状態になるように、手で布広げたりとサポートしながらアイロンを掛けます。
プリーツを折り畳んだ所です。
後ろスカート
後ろスカートも、前スカートと同様の手順で作業します。
裁断&印付けをする
まずは、生地を裁断します。
型紙を固定して、生地を「わ」の状態で裁断しています。
印をつけます。
ファスナー止まりや合印にはノッチを入れました。
ダーツとプリーツ位置には、切りじつけで印をつけました。(それと合わせて、縫い代にノッチも入れています。)
印をつけ終わったら、切じつけが取れないように静かに型紙を外します。
切りじつけは、生地を「輪(わ)」にした状態で二枚同時にしつけ糸を通しているため、
一枚目と二枚目の生地の間の糸を切り離します。(※糸が抜けないように気を付けながら)
「後ろスカート」を広げた状態です。
(「プリーツのひだ分」が追加されているので、幅が広いです。)
裾の処理をする
今回は三つ折りステッチで始末しました。
まずアイロンで折り跡を付けてから、ミシンで縫いました。
「後ろスカート」の裾ができました。
プリーツの「縫い止まり」まで縫う
プリーツの処理をしていきます。
後ろスカートを「中表」にしてたたみ、
ボックスプリーツの「表ひだ山」になる部分の印を合わせて、待ち針で固定します。
「縫い止まり位置」もしっかり合わせて固定します。
縫い止まりまで、切じつけの通りにミシンで縫います。しっかり返し縫をします。
縫い止まりまで縫ったところです。
「後ろスカート」にある3カ所を、すべて「縫い止まり」まで縫いました。
表側から見たところです。
まだプリーツをアイロンで折っていないので、ふんわりしています。
アイロンでプリーツを折る
ここから、プリーツをしっかり折っていきます。
切りじつけの印に合わせて、プリーツを畳みます。
当て布をして、アイロンで折り目を付けます。
すべてのプリーツに折り目を付けていきます。
折り目を付ける必要のある所に、同じ作業を行います。(切じつけに合わせて折って、アイロン)
「縫い止まりまで縫った部分」の裏側は、切じつけをしている部分(プリーツのひだ部分の真ん中)を縫い止まりまでのミシン目に合わせるようにして、たたみます。
(下の画像のオレンジの矢印の位置同士を合わせて、たたむ)
布がシワになったりしないように気を付けながら、アイロンを掛けます。
プリーツのひだ部分にダーツ分量を含んでいるため、多少カーブ状になっているので、
きれいにたたまれた状態になるように、手で布広げたりとサポートしながらアイロンを掛けます。
プリーツを折り畳んだ所です。
固定ステッチ
ダーツを固定するためのステッチをしています。
説明のために、「前スカート」と「後ろスカート」でそれぞれ違うやり方を行っています。
(※本来は、スカート全体で同じ方法でそろえた方が良いです。)
固定ステッチ タイプ①
一つ目は、表側からステッチが見えるタイプのやり方になります。
プリーツの裏側の布まで、待ち針でしっかり固定します。(縫い止まり位置にも待ち針を刺します。)
生地がたわんだり、シワになったりしないように整えてから、待ち針で固定します。
裏側から見たところです。
表側からステッチを「縫い止まり位置」までまっすぐかけてから、
直角に「縫い止まり位置」まで進みます。
ステッチを掛けたところです。
今回はプリーツの縫い目から8mm幅くらいの位置にステッチしていますが、もっと狭い幅でやってもよいです。
同様に、逆側にもステッチをします。
「縫い止まり部分」をステッチの枠で囲ったような仕上がりになります。
裏側から見たところです。
表側から見たところです。
ちなみに市販品の手持ち服の写真も見本に置いておきます。実際には、生地と同系色の糸でステッチされています。
ワンウェイプリーツ(片ひだ)ではありますが、このような印象になります。
固定ステッチ タイプ②
次は違うタイプの固定ステッチです。
表側からは見えない仕上がりになります。
プリーツの後ろ側は、このようになっていてひだがめくれます。
ひだ部分に、下記のように洋裁チョークなどを使って印を書きます。
- 縫い止まり位置から、ひだの端まで直線を引く。
- 縫い止まり位置よりも1~2cm程度下へ向かって。
待ち針でずれないように固定しておきます。
書いた印の上をなぞるように、ステッチを掛けます。
※この時、「縫い止まり」より奥(スカート側)を縫わないように気を付けてください。そこを縫ってしまうと表にひびきます。
ひとつ縫ったところです。
身頃には縫い付けていませんので、こうしてめくることができる状態です。
反対側のひだも同じようにステッチをします。
ボックスプリーツひとつ分のステッチができたところです。
すべてのプリーツにステッチをしました。
表から見たところです。(このステッチは表からは見えません。)
陰ひだステッチ
このステッチを入れることで、プリーツの奥側がミシン目で固定されるため、着用したり洗濯したりしてもこの部分は形が崩れなくなります。
陰ひだ山を整えてから、ミシンで際1mmのところにステッチを掛けます。
「後ろスカート」の全ての「陰ひだ山」にコバステッチを掛けました。
表から見たところです。
陰ひだ山に掛けたコバステッチは、表側からは見えません。
プリーツを仮止め&しつけ
プリーツのひだをウエストラインに、仮止めをしておきます。
本縫いをしたときに、仮止めの糸が見えないように、
縫い代1cmの場合であれば、縫い代の5mm位のところに仮止めをします。
プリーツが取れないように、しつけ糸でしつけをして、プリーツを固定しておきます。
仮止めとプリーツのしつけ固定をした所です。
脇線を縫う & ファスナー付け、など
脇線を縫う前に、前スカートと後ろスカートの「あき部分」の縫い代に「伸び止めテープ」を貼っておきます。
(今回は、左脇にコンシールファスナーを付ける予定です。)
ファスナーを付ける位置に、伸び止めテープを貼った所です。
今回の脇線は、縫い代を割ります。なので、一枚ずつ脇線にロックミシン(裁ち目かがり)を掛けて置きます。
(※脇線の縫い代を片倒ししたい場合はコチラをご覧ください。)
「後ろスカート」に脇線にロックミシン(裁ち目かがり)をした所です。
同様に、「前スカート」に脇線にロックミシン(裁ち目かがり)をした所です。
脇線を縫う為に、前スカートと後ろスカートの脇線を合わせて、待ち針で固定します。
脇線をミシンで縫い合わせます。
(返し縫をしっかりして、あき止まりより下を縫います。ファスナーを付ける部分は縫っていません。)
ファスナーが付かない方の脇線は、上から下まですべて縫い合わせています。
脇線の縫い代を、アイロンで割ります。
前スカートと後ろスカートの脇を縫い合わせた所です。(前スカート側から見たところ)
(後ろスカート側から見たところ)
ファスナーの付け方は、別途ページ(コンシールファスナーの付け方)でご覧いただけます。(※見返しを付ける場合の、付け方解説となっていますが、参考にはなると思います。)
スカートを表に返した所です。(前スカート側から見たところ)
(後ろスカート側から見たところ)
この後「ウエスト部分にウエストベルトを縫い付けて」、「ホックなども付けて」の完成となります。
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プリーツスカートの縫い方|プリーツ1本のデザイン
2023/11/25
今回使用した道具など
今回の解説で使用した道具・材料などをご紹介します。
しつけ糸
型紙から生地への印付け、仮縫い時、など、自分的には非常によく使うアイテムです。
シーチング生地(仮縫い用)
仮縫い用のシーチング生地。10mあるので、惜しみなく使えて便利。自分で型紙書いてサンプル作成したりするので、たくさん使っています。