その他

プリーツの作り方

 

名称 プリーツ
概要・役割
  • スカートなどに寄せる「ひだ」・「折り目」のこと。
  • 端から端まで折り目が消えずに、くっきりとひだがたたまれたもの。
関連・類似 手法 ダーツ 、 タック 、 ギャザー

この記事では、プリーツの種類の説明や、名称の説明、そしてプリーツスカートのパターンの作成の仕方などを説明しています。

実際の縫い方については別に記事を書いていますが、この記事に目を通してから見ていただいた方がより理解が深まると思います。

 

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プリーツの種類

おおまかなプリーツの種類を説明します。

ワンウェイ プリーツ

同じ方向に向かって、一方方向に折られたプリーツです。

別名、「片返しひだ」、「車ひだ」、「追いかけひだ」などとも呼ばれます。

 

 

ボックス プリーツ

別名、「箱ひだ」と呼ばれます。

表側では"ひだ山"が左右に外向きに折られていて、裏側では"陰ひだ山"が「突き合せ」になっています。

 

また、「ボックスプリーツ」とは逆の状態の折り方を「インバーテッド プリーツ」と呼びます。

表側では"ひだ山"が「突き合せ」になっていて、裏側では"陰ひだ山"が左右に外向きに折られています。

 

アコーディオン プリーツ

ひだ山がほぼまっすぐに立っている細かいプリーツです。

楽器のアコーディオンに似ているため、この名が付きました。

 

 

 

プリーツの部分名称

プリーツを折った時、部分ごとに下記のように呼び分けることができます。

表ひだ山 : 表側から見える折り目。

陰ひだ山 : 裏側から見える折り目。

陰ひだ  : ひだをたたんだ時に表面に現れない部分。製図で斜線が引いてある部分。

 

 

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プリーツのパターンの作り方

タイトスカートの原型パターンを利用して展開していきます。

(※自分のサイズに合ったタイトスカートの原型を使用します。)

  • プリーツの本数は、好きな本数で作成できます。(記事の下の方で、いろんな本数の作成例も載せています。)
  • 前スカートも後ろスカートも同じ本数で作成する場合は、同様の方法でそれぞれの型紙(前スカートのパターン、後ろスカートのパターン)を展開します。

 

ひだ分を追加する

下記は、タイトスカートの原型の前スカートを写したものです。(画像サイズの関係で、丈は短めです。)

前スカートを分割してプリーツのひだを追加するので、プリーツを入れたい位置にまっすぐに線を入れます

プリーツを入れる位置はデザイン次第なので任意ですが、基本的には、HL(ヒップライン)上を等分して入れるとよいです。

今回の場合であれば、「両身」で考えた時に、プリーツが4本入るデザインになっています。

両身のHL(ヒップライン)の長さを、5で割り、その幅の所に線を書きます。

ただし、型紙は「半身(体の半分)」で作っているため、中心線を含む部分は更にその半分の距離で取ります。

 

直線を書いたところを、実際に紙をカットして切り離します。

切り離す前にスカートの裾は、脇裾で+2cm広げます。HLあたりの脇線のカーブへと滑らかに線が繋がるように、書きます。

 

切り開いた部分に、別の紙を追加して貼り付けました。

今回は、+8cmずつ平行に切り開きました。

 

ダーツを移動する

タイトスカートの原型に描かれていたダーツを、移動します。

「プリーツ」と「ダーツ」が別々に散乱しているとデザインとしておかしいので、プリーツの陰ひだの両サイドにダーツ分量を移動させます。

今回は、半身にひだが2本入ります。ひだの両端に付けるため、4箇所にダーツ分量を分けることになります。

例として、今回のダーツの分量(2本あるダーツの分量の合計)は4cmあります。

ダーツ分量(4cm) ÷ 4(箇所) = 1cm となるので、

ウエストライン上で、プリーツひだの両端を1cmずつ追加します。

「ダーツ分量」と「プリーツの本数」によって、計算で出る数値は変わりますので、注意してください。

ダーツ止まりの高さまで、斜めにつなぎます。

ダーツの赤い直線と、プリーツの直線が、ダーツ止まりの位置で角ばって繋がっていますが、できればダーツをなるべくゆるやかなカーブ線にしてつなげた方が自然になります。

 

ひだ山に傾斜をつける

プリーツのひだを書くとき、傾斜を付けることにより、下記のような仕上がりになります。

  • 裾が広くなるので、ウエストが細く見える。
  • ひだが開きにくくなる。

絶対に必要な作業ではないのでやらなくても大丈夫ですが、やった方が着用時にプリーツが開きすぎず綺麗に仕上がると思います。

 

裾のライン上で1cmか1.5cm程度、陰ひだの幅を狭くします。

ダーツ止まりの位置から、直線で繋ぎます。(赤線のところ)

プリーツの陰ひだの幅により、加減をします。

1cmも取るとプリーツが消えてしまう、という場合もありますので、その場合はもっと小さめに行います。

 

ここまでの作業の出来上がりを、見やすいように色を付けてみました。

青い部分が陰ひだになる所(縫った後隠れて見えなくなる部分)です。

いらなくなった線はジャマなので、消してみました。

 

ウエストラインの修正をする

最後に、ウエストラインをきれいに書き直します。

プリーツを追加したり、ダーツを移動したりしたので、ウエストラインのつながりがおかしくなっていると思います。

型紙を実際に縫う形にたたんで、綺麗なカーブになるように、ウエストラインを引き直します

プリーツの線に合わせて、型紙を折っていきます。

出来上がりと同じ方向へ、たたみます。

 

 

プリーツのまっすぐの部分だけ、たたんだ所です。

プリーツの上部(ウエスト近く)は、ダーツを追加しているため、角度が付いていてたたむのが難しくなっています。

 

肝心な、上部の方をたたんでいきます。

 

WL(ウエストライン)ではなく、「縫い止まりの位置」で合わせます。

上部をたたみました。

硬い紙なので、下は開いてしまいます。

 

縫い止まりでしっかり合わせて折ると、

ウエストラインが段差が出来たり角が出来たりして、ガタガタになっています。

 

ガタガタしていたり、角になってしまっているところを、滑らかなカーブ線に書き直します。

カーブ定規などを使うと便利です。

WL(ウエストライン)全体で見て、滑らかな綺麗な形になっているかを確認します。

ウエストラインが出来上がりました。

たたまれている内側(プリーツの陰ひだ部分)にもウエストラインを書き写します。

複写紙をプリーツ部分に挟み込みます。

ソフトルレットでウエストラインをなぞって、線を写し取ります。

プリーツの陰ひだ部分に線が書けました。

 

プリーツを倒す方向を表す印(斜線)を書き込んで、パターンが完成しました。

 

 

ワンウェイプリーツで気を付けること(半身か、両身か)

ちなみに上記のイラストのような、同じ方向に向かって折られたプリーツにする場合には、パターンを作る際に気を付けることがあります。

 

 

まず下記は、中心線を境にして右半身と左半身が左右対称に折りたたむようになっている型紙です。(=中心線に向かってプリーツをたたむ仕様)

 

その場合は下記のように、中心線を境にして左右対称な形になっています。

そのため、中心線でパターンを折りたたんで、「輪(わ)」の状態にできます。

つまり、パターンは半身で作成して大丈夫と言う事になります。

 

 

そして今度は、同じ方向に向かってプリーツを折りたたんだ型紙です。

左側にあるプリーツは中心線に向かって折りたたまれ、右側にあるプリーツは脇線(外側)へ向かって折りたたまれることになります。

つまり、中心線を境にして考えると、右と左でまったく違う動きをしていることになります。

このプリーツ部分を開くと、下記のような形になります。

プリーツの「陰ひだ」のウエストライン部分の形が、右半身と左半身でまったく違う形になっています。

そのため、中心線でパターンを折りたたんで、「輪(わ)」の状態にしてしまうと、片方のプリーツ部分の縫い代が足りなくなってしまう可能性があります。

そのため、同一方向へプリーツを折りたたむデザインで作る場合には、「わ」の状態の半身ではなく、きちんと両身でパターンを作ったほうがよいということになります。

 

 

プリーツのパターンの応用

パターン作成の例として、4種類のパターンを紹介します。タイトスカートの原型を利用して展開しています。

これらのやり方を応用して、プリーツの本数を変更して作成することも出来ます。

 

①プリーツ1本 のデザイン

前スカートは、中心線にひだ山を突合わせにしたひだを入れてプリーツを作ります。

後ろスカートは、タイトスカートの形のままです。

 

タイトスカートの原型を使って、デザインを変えていきます。

 

「後ろスカート」は裾幅を、脇裾で+2cm広げます。 脇線のカーブへと滑らかに繋がるように書きます。

 

「前スカート」も、後ろスカートと同様に 脇裾を+2cm広げます。

「前スカート」の前中心にボックスプリーツを入れるので、前中心にプリーツのひだ分を追加します。

今回はひだ分として、半身で+12cm平行に追加しています。

前中心線にひだ分を追加しただけなので、ダーツは一切動かしていません。(※お腹の真ん中にダーツが入るとおかしいので。)

 

”わ”を広げて両身になると、下記のような感じです。 ひだ幅は両身で考えると「半身12cm×2倍=24cm」です。

 

後は、記事の中盤の説明の通り、「ひだ山に傾斜をつけて」から、「ウエストラインの修正」をしたら、パターンの完成です。

傾斜を付けるのは任意ですが、ウエストラインの修正は必須作業です。

 

このデザインでの縫い方の説明はコチラ

 

②プリーツ2本 のデザイン

前スカートは、正面の左右に片倒しのひだを入れてプリーツを作ります。

後ろスカートは、タイトスカートの形のままです。

同じ位置で、プリーツの種類を「ボックスプリーツ」に変えたパターンにしても印象が変わります。

 

タイトスカートの原型を使って、デザインを変えていきます。

後ろスカートは、脇裾で+2cm広げます。 脇線のカーブへと滑らかに繋がるように書きます。

 

「前スカート」も、後ろスカートと同様に 脇裾を+2cm広げます。

「前スカート」を分割して、プリーツのひだ分を追加します。今回は、+16cm平行に切り開きました。

プリーツを入れる位置は、半身のHL(ヒップライン)の幅を単純に2等分した位置でもOKです。

もしくは、体にあてて考えてみて、この位置にプリーツを入れたいという位置で任意のデザインで決めても大丈夫です。

 

ダーツ移動をします。

プリーツの陰ひだの両サイドに、ダーツ分量を移動します。

今回は、前スカートの半身にひだが一本入ります。ひだの両端に付けるため、2箇所に分けることになります。

なので、例えば今回ダーツの分量が2cmであれば、 ダーツ分量(2cm) ÷ 2(箇所) = 1cm となるので、

ウエストライン上で、プリーツひだの両端を1cmずつ追加します

ダーツ止まりの高さで、自然な緩やかなカーブで、ひだの平行線(赤い直線)へと合流させます。

”わ”を広げて両身になると、下記のような感じです。

「縫い止まり」位置は、デザインで好きに決めて構いません。ダーツ止まりの位置と同じ高さにしてもよいし、それより多少は上下しても構いません。

 

後は、記事の中盤の説明の通り、「ひだ山に傾斜をつけて」から、「ウエストラインの修正」をしたら、パターンの完成です。

傾斜を付けるのは任意ですが、ウエストラインの修正は必須作業です。

 

 

③プリーツ3本 のデザイン

「前スカート」も「後ろスカート」も同様に3本のプリーツを入れて作ります。

 

タイトスカートの原型を使って、デザインを変えていきます。

 

「後ろスカート」も「前スカート」も、それぞれ同様の作業を行います。

上記の「①1本のプリーツデザイン」と「②2本のプリーツデザイン」の説明と被る内容なので、説明を簡略化します。

  • 裾幅を、脇裾で+2cm広げます。 脇線のカーブへと滑らかに繋がるように書きます。
  • 「前スカート」の前中心にボックスプリーツを入れるので、前中心にプリーツのひだ分を追加します。(「わ」になる位置のため、16÷2=8で、+8cm平行に切り開きました。)
  • 「前スカート」を分割して、プリーツのひだ分を追加します。(+16cm平行に切り開きました。)
  • ダーツ移動をします。(※中心線位置には、ダーツ分量を加えていません。)

 

後は、記事の中盤の説明の通り、「ひだ山に傾斜をつけて」から、「ウエストラインの修正」をしたら、パターンの完成です。

傾斜を付けるのは任意ですが、ウエストラインの修正は必須作業です。

 

このデザインでの縫い方の説明はコチラ

 

 

④総プリーツスカート ※編集中

※編集中です。

 

 

 

 

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