洋裁の基礎・知識

マチ針の打ち方|ピンの刺し方【基本】【コツ】

洋裁では、マチ針を打つことがたくさんあります。

布がずれにくくなり、縫いやすくなる、そんなマチ針の打ち方について解説します。

基本的にマチ針の打ち方は毎回同じですので、身につけて置けば何度でも活用できます。

正しくマチ針を打つことができれば、作業効率も上がりますし、出来上がりもきれいになります。

 

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基本|マチ針の打ち方の「コツ」

マチ針を打つのは、布を留めるために打ちます。そのため、簡単にずれてしまうようでは意味がありません。

「布を多く」すくってしまうと、そのすくった分だけ布が動けてしまいます。

なので、針で布をすくえる最小限の範囲少しだけすくうのが、一番ズレにくいマチ針の打ち方の「鉄則」であり、コツです。

パターンを布に固定するときも、縫製の時も、基本は同じです。

 

  • マチ針(ピン)を打つときは、布をほんの少しだけすくう。

 

 

マチ針の打ち方|ズレない打ち方

マチ針の打ち方は、毎回同じ打ち方法で行います。

下記の手順が一番ズレないマチ針の打ち方です。

 

ミシンで縫うときなどの、マチ針の打ち方

 

 

(1)布をピッタリ合わせる。(合印や、出来上がり線など、しっかり合わせます。)

 

(2)マチ針を「垂直」に刺す。 (生地に対して垂直に針が通るように刺す。)

 

(3)2枚の布をピッタリとくっつけたまま、針をスーッと、抜く方向へ動かす。

 

(4)抜ける寸前で、ほんの少しだけ布をすくって、マチ針を留める。


※出来上がり線を書かずに、縫い代を揃えている場合は、縫い代の端を揃えます。ノッチなどの合印もしっかり合わせます。

 

 

パターン配置の時の、マチ針の打ち方

パターン配置の時は、平らな場所に寝かせた状態で、なるべく布を浮かせずに行います。

(浮かせるとヨレたりズレたりしてしまうため。)

 

(1)生地を置いたまま、マチ針を刺す。

 

(2)机の表面に針先が当たったのを感じたら、少しだけ布をすくって、マチ針を留める。

裏側からすくった部位を見たところ

 


このようにすると、印の位置どうしが合った位置で、ズレにくいようにほんの少しだけ布をすくって、マチ針を留めることができます。

 

 

 

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ピンを刺す向きについて

基本的には、出来上がり線に対して直角(垂直)に打ちます。

パターン配置などで留めるときは、そこまで気にしなくてもよいと思います。

ただし、机など平らな場所で生地をなるべく浮かせないように行い、布がたわんだりヨレたりしてしまわないように留めます。

 


あとは、縫製の時にマチ針を「外から内へ向かって打つ」か、「内から外に向かって打つ」かについて。

これについては、自分がやりやすい方向で構いませんが、下記のようにすると作業がしやすくなります。

ミシンで縫う場合。

● 右利きの人は、マチ針の頭が右手に来るように。

● 左利きの人は、マチ針の頭が左手に来るように。

このようにマチ針を打つと、ミシンで縫うときにマチ針を抜きやすくなります。

(※縫うとき、ミシンの押さえ金に当たる前に、マチ針は抜きます。)

 


手縫いで縫う場合。

● マチ針の針先が上(外側)に来るように。

このようにマチ針を針先が上にくるように打つと、手縫いで布を手繰るときに、マチ針の針先が手に当たりにくくなります。

 


上記のように、作業のしやすさやなどにより自分にとって効率のよい方法を選択すればOKです。

作業も早くなり、且つ綺麗に仕上げられるようになると思います。

 

 

マチ針を、複数打つ場合|順番など

マチ針を 複数個 打つときは、次の3点に注意しましょう。

① 両端の遠いところから留めていく。

② 合印と次の合印までの距離が長い場合は、その間にもマチ針を打つ。

③ カーブがある場所は、ピンの数を少し多めに打つ。(カーブは直線よりも、数を少し多めに打つ。)

 

それでは、順番に理由などを説明します。

 

①の「両端の遠いところから留めていく」の理由としては、片端から留めていくと長さが合わなくなりがちだからです。

順々に片方の端から留めてしまうと、紙のパターンと違い、生地は伸びたりします。そのため、長さが合わなくなりズレてしまいます。

そのため、両端をまず留めておくことで、これを防ぐことができます。

(※ただし、場合によっては端からやった方がよい場合もタマにあるので、「絶対に両端から」というわけではありません。)

 

次は、②の「合印と次の合印までの距離が長い場合は、その間にもマチ針を打つ」について説明します。

合印は「合わせるための印」なので、この位置を合わせて、マチ針で布を固定します。

ただ、合印どうしの間隔が広い場合には、縫うときの作業がしやすくなるように、中間にもマチ針を打って固定しておきます。

 

最後に③の「カーブがある場所は、ピンの数を少し多めに打つ」について。

カーブ(曲線)は、直線よりもズレやすいため、間隔を短くしておく必要があります。

なので、直線部分に比べて、少し多めにマチ針を打っておきます。


マチ針の打つ順番について

(1)遠い合印どうしをまず留める。(裾の角なども合印の代わりとして考えます。)

(2)その中間(真ん中)を留める。

(3)距離が長い場合は、更にその真ん中を留める。(※間隔が広い場合は、これを繰り返す)


 

以上のように留めることで、ズレることなく布を合わせられます。

 

最初の慣れないうちは、しっかりマチ針を使って固定して問題ありません。(※ただし、針穴が目立ちやすい生地もあります。)

何度も作品を作るうちにだんだんと、マチ針をたくさん打たなくても縫えるようにもなってくると思います。

 

 

マチ針の種類

 

マチ針にはいくつか種類があります。

基本的なものを上げると、以下のものなどがあります。

・洋裁用のマチ針

・和裁用のマチ針(セルまち針)

・シルクピン

・洋裁用クリップ(※マチ針ではないですが、布を留めるのに使用します。)

 

シルクピンは、その名の通りシルクなど繊細な生地を扱うときや、トワル作製の時などに使います。細めで針穴が目立ちにくくなっています。

ただし、細い上に針頭部の飾りもほぼ無い為、抜き取り忘れたり無くしたりといった心配も多いです。

 

和裁用マチ針と、洋裁用マチ針は、そんなに違いを考える必要はないかと思っています。

個人的には和裁用のマチ針が使いやすいのでよく使用しています。

和裁用マチ針は、針頭部の飾りが平べったいので、生地に反発せず留められるのが地味に便利です。

小学校のときの家庭科道具で入っていたのもこのマチ針だったので、なじみ深いというのもあるかもしれません。

セルマチ針の中でも、薄地用、厚地用、普通地用など、種類があったりします。

 

洋裁用クリップも、針を差せない場合などに重宝しています。

 

 

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