布地を裁断するときに重要な「地の目」「布目線」について、説明をします。
目次
1・地の目とは、生地(布)の縦方向のこと
2・地の目の印(=布目線)について
2-1・ パーツには必ず、地の目の方向(=布目線)がひとつ書かれている
3・地の目について、その他【 Q&A 】
3-1・ 小さくカットされたハギレで、方向が分からないときの確認の仕方
3-2・ リボンやタイが綺麗にできないとき
3-3・ 衿の地の目について、基本的な取り方
3-4・ 裏地も地の目を合わせるべきか
3-5・ 接着芯も地の目を合わせるべきか
地の目とは、生地(布)の縦方向のこと
布地は、縦糸と横糸で織られています。その「縦糸」の方向のことを「地の目(じのめ)」と呼びます。(「布目」と呼ばれることもあります。)
● 縦地(=縦糸の方向)は、一番「伸びにくい」方向。 「地の目」と呼ばれる。
● 横地(=横糸の方向)は、縦方向よりも、布地が伸びやすい性質がある。
● バイアス方向(=斜め45度)は、一番、布地が伸びる方向です。
● 耳(みみ)(=布の両端のかたい所の呼び方)。耳から耳までの幅が布幅になります。
型紙には「布目線」と呼ばれる矢印が描かれているので、この矢印の方向を、縦地の方向に合わせて型紙を置きます。
一番伸びにくい「縦地(地の目)」に「布目線(型紙の矢印)」を合わせて裁断することで、服の仕上がりがよくなり、型崩れしにくい服が出来ます。
ちなみに、フレアの多い服やペプラムなどは、広がり・動きを出すためにあえて斜め(バイアス方向)で裁つ場合もあります。
ただし、バイアスで裁つと、用尺(=必要な生地量)が多くなります。また、バイアス地は伸びやすいので、作業の難易度が上がります。
地の目の印(=布目線)について
地の目の方向は、上図Aのような印で表されます。この印のことを「布目線」と呼びます。
市販のパターンでは、上図BやCのように、矢印で書かれていることも多いです。印の形は販売されている型紙によっても多少の違いがあります。
中心線が輪(わ)になっている場合などは、上図Dのように書かれている場合があります。
パーツには必ず、地の目の方向(=布目線)がひとつ書かれている
型紙には、パーツごとに必ず一つは「布目線」が書かれています。
「型紙の矢印の向き」と、「生地の地の目(縦方向)」をそろえて置き、生地を裁断します。
地の目について、その他【 Q&A 】
小さくカットされたハギレで、方向が分からないときの確認の仕方
ハギレ(生地が小さくカットされている状態)で、方向が分からない時は、生地を引っ張てみて、「一番伸びない方向」が地の目(縦地)です。
リボンやタイが綺麗にできないとき
リボンなども、縦地に長くパーツを取ると、綺麗にまっすぐ仕上がります。
リボンを結んだ時に、下に向かってきれいに落ちるようにしたいときは、縦地(地の目)で裁断しましょう。
横方向に取るよりも、まっすぐ綺麗なリボンに仕上がります。
衿の地の目について、基本的な取り方
あくまで基本的な考え方なので、生地の柄の出方を優先したりなどで変わる可能性はあります。
台衿無しのシャツカラー
中心線に合わせて、地の目を合わせます。
台衿つきのシャツカラー
台衿部分もカラー部分も、中心に対して、直角に地の目を合わせます。
台衿のみ
中心に対して、直角に地の目を合わせます。
裏地も地の目を合わせるべきか
裏地も、表地と同様に地の目を合わせてパターンを裁断します。
接着芯も地の目を合わせるべきか
できれば合わせた方が良いです。
最低限守るべき事としては、「表地を縦地で取っているパターンを、接着芯はバイアス地で取る」といった行為は接着芯を貼る意味が無くなるので、絶対に止めましょう。
ただし、縦地と横地の範囲であれば、接着芯はそこまで神経質にならなくてもよいかと思います。「表地が縦地(地の目)で取っているパターンを、接着芯は用尺が足りないので横地で取った」という程度は許容範囲かと思います。
とはいえ、用尺が許すのであれば、できれば揃える方がよいです。